-動物との共生の未来-
当財団は、地球という一つの大きな生命の中での、動物との共生の未来を探るという崇高な理念のもと、 「獣医学に関する臨床的研究を行い、併せて獣医療技術の向上のための教育と知識の普及を行うことにより、 動物臨床医学の発展と、さらに、人と動物の接点の探求及び動物愛護思想の啓発普及を図り、 もって社会の福祉と学術の発展に寄与する」ことを目的として発足いたしました。それ以来、動物医療全般に関わる長期間の努力を積み重ねる一方、多くの関係者の方々の温かいご支援とご理解を得て、絶えず臨床獣医界のニーズに応えながら一歩一歩前進して参りました。
事業としては、獣医学に関する臨床的研究はもとより、獣医学に関する刊行物の発行、学会や講演会の開催 などの情報提供活動、獣医医療のスタッフの教育・養成などの人材育成活動、また野生鳥獣の保護管理による自然資源の保護さらに動物愛護思想の啓発、普及のための保護施設「アミティエ」を介しての活動展開等、非常に広範囲の活動を続けております。
私共はこのいずれもが、動物医療の世界や社会の将来にとって大変重要なものばかりであると確信いたしてお ります。
具体的事業としての最大の活動は、平成8年度より、小動物臨床研究会年次大会を発展的に解消し、日本学 術会議に登録された「動物臨床医学会」と呼称する学会に移行し、年一回学会を開催していることであります。 この学会には開業医は勿論のこと、各大学の臨床系さらに基礎系に至るまで、多くの臨床獣医学に興味をお持 ちの先生方に多数ご参加いただき、活発な議論がなされています。
今後とも、私共の力の及ぶ限りこの財団は多くの方々のご理解とご声援のもと、臨床獣医界や社会に役立つこ とを目標に一つ一つの生命を大切にすることを基本として前進して参りたいと考えております。
財団のロゴマークについて
日本最古の歴史書である古事記に登場する「因幡(いなば)の白兎」の神話では、傷を負った兎を大国主命(おおくにぬしのみこと)という神様が、ガマの穂を使って治療されています。このことから、鳥取県は日本医療の発祥の地といわれており、また、動物を治療されたのですから、日本獣医療の発祥の地であるとも言えます。当財団のシンボルマークはこの神話をデザイン化したもので、中央に元気よく飛び跳ねている白兎を描き、その兎をガマの穂で優しく包むことで、地球上の生き物に優しくという願いが込められています。