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動物のいたみ研究会
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 2003年に、動物の「いたみ」からの解放こそ今後の獣医学臨床に課せられた重大な使命であるとの理念のもとに、産業界が研究会と一体となって学術研究を進め、その成果を基に「いたみ」に対する理解と獣医学的対応の普及・啓発を図ることを目的として発足いたしました。動物の痛みの評価やその治療法について多くの獣医師に対する教育講演を行い、また日本での動物病院内での疼痛管理の現状をまとめ海外の学会で発表するなど幅広い活動をしています。
 当研究会は協賛企業により運営されています。

猫が「いたみ」を抱えている表情を検出するAIを開発

猫は痛みを隠す傾向があることから、犬よりも疼痛を抱えていることに気づくことが難しいとされています。これまでに、猫の痛みを評価する様々な手法がありましたが、そのほとんどが動物病院のスタッフや飼い主の主観的評価によるもので、観察能力や訓練の度合いによって評価に差が生じてしまっていました。

そこで、本研究会は、株式会社Carelogyと共同で、痛みを抱えている猫は表情に変化が生じるということに着目し、猫の顔の表情をAIで分析することで、猫が「痛みを抱えている顔」をしているか否かを判別できるツールの開発を行いました。そして、この度、90%以上の精度で「猫が痛みを抱えている表情」をAIで判別できるアプリ(CPD: Cat Pain Detector)の開発に成功しました。

■CPD: Cat Pain Detectorのリンクはこちら↓
https://cpd.carelogy-japan.com/

CPDは、猫の顔の写真を撮影するか、過去に撮影した写真から選択してアップロードすることで、数秒以内に「痛みの表情」があるか否かを判別します。CPDは、本研究会の公式Facebookや株式会社Carelogy のホームページからもアクセスすることができます。多くの飼い主の皆様に日常的に使って頂けるように、無料でかつシンプルなサービスになっています。本アプリは、飼い主に猫が痛みを抱えている可能性に気づいてもらい、動物病院へ来院するきっかけとしても活用できます。本アプリは、主に急性痛の検出を目的に開発されていますが、今後は慢性痛の検出を可能とする機能も搭載していく予定です。現在、獣医師や愛玩動物看護師の使用も視野に入れたプロフェッショナル版も開発中で、さらに検出精度が上がるように開発を続けています。一人でも多くの方に使用して頂き、猫の「いたみ」に興味を持って頂けると幸いです。

第44回動物臨床医学会年次大会開催内容

■シンポジウム 19(日)13:30-15:45 第5会場(10F:1003)

猫医療の最前線 

 1. 総論:猫の医療革新と現状  服部  幸(東京猫医療センター) 

 2. 猫伝染性腹膜炎に関する最近の話題  高野 友美(北里大学) 

 3. 猫の腫瘍に関する最新情報  伊東 輝夫(青葉動物病院) 

 4. 猫の疼痛管理   手島 健次(日本大学)

■動物病院スタッフセミナー  18日(土)16:45-17:45  第1会場(12F:特別会議場)

 周術期の動物看護   佐野 忠士(帯広畜産大学)

■ランチョンセミナー  19(日)11:45-12:45  第5会場(10F:1003)

 動物のいたみに関する世界の最新情報とAIの活用

   ~これからの動物病院と動物の疼痛管理~

       枝村 一弥(日本大学)

慢性疼痛に関するポイントとチェックリスト

慢性疼痛に関するポイントとチェックリストをダウンロード頂けます。

慢性疼痛に関するポイントとチェックリスト (667KB)

犬の急性痛に関する痛みの評価基準

 動物の痛みの程度を評価するために多くの方法が知られています。しかし、ど
の方法でも痛みの評価が難しい現状にあります。そこで、当研究会では、犬の急
性痛(術後痛などの急性期の痛み)の評価を、犬の急性痛ペインスケールとしてまとめました。このスケールの各項目は、傷みと関連する症状や行動を示していますので、参考にして下さい。

犬の急性痛ペインスケール (1.04MB)

WSAVA 疼痛の判別、診断と治療のガイドライン

WSAVA 疼痛の判別、診断と治療のガイドライン (4.11MB)

研究会・セミナー

委員

■委員長 枝村 一弥(日本大学)
■副委員長 西村 亮平
(東京大学)
■副委員長 ゾエティス・ジャパン㈱
■副委員長 高島 一昭
((公財)動物臨床医学研究所)
■顧問 山下 和人
(酪農学園大学)

ワーキンググループ
■淺川 誠
(どうぶつの総合病院)
■今井 彩子
(日本小動物医療センター)
■奥村 正裕(北海道大学)
■左近允 厳(北里大学)
■永延清和(宮崎大学)
■佐野忠士(帯広畜産大学)